電話やメールでのコミュニケーションが主流だった数年前と比べて、今はLINEやMessenger、ハングアウトなど各社が提供する色々なSNSサービスやメッセージのやり取りツールが普及しています。
それぞれに特色やメリットがありますが、職場において利用する場合は、ある一定のルールを定めておく必要があります。
メッセージツール導入のルール案
社内にメッセージツールを導入する場合、定めておくべきルールには次のようなものがあります。
- 電話/メールとメッセージツールとの使い分け
現在使用している電話やメールでのやり取りすることと、メッセージツールでやり取りすることを明確にします。たとえば、「社外のお客様とは電話やメールを基本とし、社内はメッセージツールを使用する」などです。 - 既読で終わらせないためのルール
ツールによっては「既読」と表示されるものもあります。受信者が「見た」という意思表示となりますが、それで受信者の責任を果たしたと捉えるか、その後のレスポンスまでを求めるかを決めておきましょう。「了解!」の一言でもレスポンスがあった方が、雰囲気はよくなります。 - ツールの使用端末の制限
社用のスマートフォンのみで利用を許可するか、個人所有のスマートフォンでの利用も許可するかどうかを決めます。会社管理のスマートフォンの場合は、紛失や置き忘れた場合、遠隔で位置情報を確認できたり、データを消去できたりするものもあります。 - グループ作成ができる権限を誰に与えるか
ツール内の機能で、数名のグループを作れるものがあります。
自由にグループを作れると、プロジェクトごとなどで柔軟に対応ができますが、管理者の知らないグループがたくさん出来てしまうこともあります。 - ファイルのアップロードや共有のルール
ツール内には添付ファイルのアップロードが可能なものがあります。
ファイルの機密度に応じて、アップロードの可否を決めておいたり、不要なファイルは1ヶ月おきに削除する等のルール決めも必要です。 - メッセージを送受信できる時間
電話やメールと違って、より気軽にメッセージが出来る分つい就業時間外でもやり取りしてしまう可能性があります。
就業規則や労働基準法と照らし合わせて、使用できる時間を設定しておきましょう。 - 端末やアプリのパスワード設定
メッセージツールの利用に限らずですが、端末やアプリ内にはむやみにログインできないようにパスワードを設定しましょう。
万一、端末を紛失したり置き忘れたりした場合、情報が流出する可能性もあります。パスワードの定期的な変更も忘れずに。 - メッセージ送信・投稿のマナー
例えば、「叱責や、ネガティブな話題については直接のコミュニケーションをとるようにする」「絵文字やスタンプの利用は節度を持って」など一般的なマナーレベルのルールも最初に定めておくことが肝心です。
段階的導入とルールの明文化
導入が決まったら、いきなり全社で運用するのではなく一部の部署やメンバーでテスト運用をしましょう。テスト運用中には、定めたルールが実務に即しているか再確認します。
そして、ルールは曖昧にせずに明文化することが大切です。
メッセージツールを導入する「目的」とメッセージツールの「位置づけ」を明確にし、その他ルールについても詳細に明記しましょう。
最後に。コミュニケーションにおける責任を再確認
どのようなツールを使っても、コミュニケーションにおいては「発信者」「受信者」に責任があります。
発信者の責任
・相手が正しく受け取れるように明確な情報を伝える
・相手が正しく受信し、理解したことを確認する
受信者の責任
・情報を完全に受け取る
・正しく理解する
・受け取ったことを発信者に通知する
時に、「メールで送ったんですけど」とか「メモを机に置いておきました」と自信満々に発言する人がいますが、これは、相手がきちんと受け取ったかを確かめておらず「発信者の責任」を果たしていません。
また、反対に情報を受け取ったのに、返答せず放置して「見てもらえましたか?」と聞くと「見たよ」と言うような人もいます。こちらも受信者の責任を果たしていません。
情報を発信する人にも受信する人にもお互いに責任があるのだということを、まずは社内で周知・教育して、ツールを活用した効果的なコミュニケーションを推進していきましょう。