間違えると不幸になる「目的と目標」の混同。違いがわかりますか。

「目的」と「目標」の違い、お判りでしょうか。

昔のことですが、実は私自身も提案書を書いていて、上司から「それは目的?目標?どっち?これじゃ何を優先するかわからないよ!」と言われたことがあります。
それ以来気を付けているのですが、色々な人と話す中で、結構、目的と目標を混同している人を見ます。

混同すると、何をするにしても迷走します。自分一人であればいいですが、複数人のプロジェクトであれば、関係者一同迷走し、結果みんな不幸になります。

今日は、不幸にならないよう、目的と目標の違いをなるべく簡単に説明したいと思います。

目的と目標

目的と目標

目的と目標

目的

目的は、「的」です。
つまり、目指すゴールです。

なぜぞれをするのか、その理由付けです。

簡単に書くと、下記です。〇〇の部分が目的です。

これをやるのは、〇〇を達成したいからだ。

目標

目標は、「標」です。
つまり、ゴールに対してのしるべ、しるし、指標です。

ゴール(目的)に対して、向かってるのかどうなのかを見極めるものです。
見極めなので、目標は最終目標や中間目標のように「時間軸」で分かれることが多くあります。

簡単に書くと、下記です。〇〇の部分が目標です。

今、〇〇を達成しているので、うまくいってるな。(=中間目標)
目的を達成するには、〇〇が達成できていればいい。(=最終目標)

目的と目標の例

それでは、目的と目標を一つの例より説明します。

健康になろう。そのためにはダイエットだ。
今の体重が80Kgだから、半年後に70Kgになりたいので、まずは3か月後に75Kgを目指そう。

どこが目的で目標かわかりますか。

目的は「健康になる」です。
または、健康になるためにはダイエットする、までが必須なのであれば「健康のためにダイエットする」です。

目標は2つあり、最終目標が「半年後に70Kg」、途中の目標が「3か月後に75Kg」です。

つまり、下記のようになります。

健康になろう。(=目的)そのためにはダイエットだ。
今の体重が80Kgだから、半年後に70Kg(=最終目標)になりたいので、まずは3か月後に75Kg(=中間目標)を目指そう。

目的と目標がごちゃごちゃになった例

目的と目標が混同されだすと、不幸になるとお伝えしました。その説明です。

先ほどの例でいくと、半年後に70Kgになるのが目的ではありません。
え?同じじゃない?と思われる人は、こう考えてみてください。

4か月目に70Kgになった!でも体調不良でふらふらしてる

70Kgになるというのがゴールではなかったはずです。健康になるというのがゴールだったはずです。ですが、体調不良になっているとはゴールが達成できていませんよね。
ゴールは目的です。その目的を達成するために目標を押さえながら行動しているはずです。ですが、目的が達成できていないとは、その行動には何か問題があったんじゃないかな、と思われます。

このようにごちゃごちゃになると、頑張って目標は達成したのに目的は達成されない状態になります。

これは、この例にあるダイエットだけでなくビジネスでも、次のような感じでよく起こります。
「1日に100人集客達成。興味の無いお客様ばかり呼んでしまったので、すごく忙しくなったけど売上につながらなかった。」

このように、頑張ったけど成果には結びつかない、もちろん不幸なことです。

目的の簡単な見極め方

目的って何?難しい……と思われる方に、簡単な見分け方を説明します。

それは「そもそも~」です。

目的は、行動の理由付け、と上で説明しました。何事も、意識して始めるときには「目的」があるはずです。上記の例で言うと、半年後に70Kgになる、という状態の先に何かあるはずです。それが「健康になる」です。

ですが、進んでいるうちに「目的」を見失うことが多くあります。それは「目的」は数値で表さず、「目標」は数値で表し、日々の活動の指標となるものだからです。「健康になる」というより「体重を70Kgにする」方がわかりやすいからです。

もし活動してて、あれおかしいな、と思うことがあったなら、それは目的がぼんやりしてきた証拠です。そうなったら、次の一言ではっきりします。

「そもそも、何故それをやってるんだっけ?」

目的はそこを目指す理由付けです。そもそも、と付けるだけで、理由付けまで振り返れます。

「そもそも、何故ダイエットしようとしたんだっけ?ああ、健康よく生活するためだよね。」

そうなりますよね。何故始めようとしたのか、その理由付けが目的です。

まとめ

「目的」は数値で表さず、「目標」は数値で表すので、日々活動しているとどうしても「目標」の方ばかり意識しがちです。
目標が目的より優先されることはありません。ただ「目標」は「目的」に向かっているかどうかの指標だ、ということを認識しておいてください。

何か迷ったら、進むべき道を再度確認するためにも、「そもそも~」と考えていただき、迷わず進んでもらえればと思います。

そのことで、その目的を達成しようとしている自分や関係者も、幸せになれます。

ABOUTこの記事をかいた人

hito

ITコーディネータ、中小企業情報セキュリティ指導者、BtoBデジタルマーケター。 企業支援を得意とする酒好き。 どんなにアイディアが行き詰っても、酒を飲むと妙案を閃く、という酔拳使い。 Instagram:@hitotabi Twitter:@hitotabi_2012