ビジネス書を読むだけなら毒。クスリに変える4つの手順。

「読書はいいことだ」このことに疑問を持つ人は少ないでしょう。

では「ビジネス書を読むのはいいことだ」と言い換えるとどうでしょうか。そうなると、いいこととも言えない、という意見がちらほら出てきます。
何故、ビジネス書に批判的な意見が出てくるのでしょうか。ビジネス書を読むことはいいことではないのでしょうか。

私はビジネス書は「毒」「薬」の両面を持っていると思います。
ではビジネス書の持つ毒にやられることなく、キチンと薬として使っていくためにはどうしたらいいのでしょうか。今日はそのあたりの説明をしたいと思ってます。

ビジネス書は、なぜ無意味と言われるのか

ビジネス書を読むのはいいことだと言えない、という人は次のような意見を持っています。
・役に立たない
・内容が同じ
・知ってることばかり
・うさんくさい
・独りよがり
・自分には参考になるものと思えない

どれも外れていることではありません。なぜそう思われるんでしょうか。以下、その説明を記します。

ビジネス書はこんなに多い

まずその背景ですが、ビジネス書が量産されているからということが大きいのです。
この原稿を書いている時、私がAmazonで「今後30日に発刊される「ビジネス・経済書」」で検索したところ、265冊ありました。30日で265冊なので、1日9冊といったところです。

Amazonでは「嫌われる勇気」のようなアドラー本は、「ビジネス・経済書」ではなく「人文・思想」に区分けされていますので、そのような本は入っていません。
そのようなカテゴリーまで入れると、1日20冊は出ているのではないでしょうか。

20冊×365日。そう、年間7,000冊以上のビジネス書が出ているわけです。

知った情報ばかり

いくら世の中の進歩が速いといっても、毎年そんなに新しい考えやノウハウが出てくるわけがありません。多くのビジネス書は、表現を変えたり再構成したり、を繰り返して出版されています。

これは、2017年5月に私が見た時点のAmazonのランキングです。

下は、2016年のAmazonランキングです。

どうでしょうか。2016年の本を見ても、なんとなく今出ている本の中に無いですか?今の本も過去に似たようなのありませんでしたか?
つまりオリジナルではなく、バリエーションとしてどんどん出ているわけです。当然、気になるテーマであれば、同じような本を何冊も読むこともあり、そこが「内容が同じ」「知ってることばかり」という評価になるわけです。

期待させるような商業的なあおりが多い

前述したように山ほど出ているビジネス書です。とにかく売るためには、キャッチコピーにあおりを使うことが多くあります。

「成功をしようと思ったら、部屋を片付けるな!」
これは私が考えた架空のタイトルですが、こんな感じのビジネス書ありますよね。

成功したい人、部屋を片付けるのが苦手な人は、ふと気になり手に取ってみたものの、思っていた内容となんか違う。それが「うさんくさい」「独りよがり」という評価になります。

稚拙なビジネス書

いいビジネス書は、「どうなってるのか。それは何故なのか。これからどうしたらいいのか」それがキチンと書かれています。ノウハウ本でなくても、これからどうすべきかのヒントがあります。
ところが、量産されるビジネス書のなかには、内容を深く吟味せず出されているものもあり、「これからどうしたらいいのか」がほぼ無いものも多くあります。

「だから、どうなんだ、どうすればいいんだよ!」と思ってしまう内容。「独りよがり」で「役に立たない」ビジネス書ですよね。

ビジネス書は毒である

上記は、ビジネス書はなんとなく役に立ちそうにないものだという話しでした。私はビジネス書は、そのような役に立たないだけでなく「毒」の性質を持つと思っています。

本の中毒性

ビジネス書は、なぜそんなに多く出てくるのでしょうか。それは一言で言うと、買う人がいるからです。

ある本が売れたら、後続の類似本がかなり出てきます。
「嫌われる勇気」がベストセラーになった後とかがわかりやすいでしょうか。
同じようなテーマでタイトルが変わって、どんどん出版されますよね。そして興味がある人はどんどん買います。

いわゆる中毒状態です。もし、色々な書籍を読んで深く調べてみたいからという理由以外で、半年後や1年後に同じようなタイトルを手に取っている人は、要注意です。

例えば、もう少し仕事の段取りを早くしたいと思い、「仕事の段取り術」や「グズを治す本」といった本を手に取る。しばらくしたら、また同じような本を買ってしまう。そういうことです。
あなたが心当たりあるのであれば、もしかしてあなたはビジネス書の持つ「毒」にやられているのかもしれません。

なぜ中毒になるのか

基本的に読書というものは読後の爽快感があります。
小説であれば、その世界に感情移入し楽しめます。

ビジネス書も同じで、読後にスッキリすることが多いのです。
それは、自分の悩みや知りたいことがあって手に取った本ですから、その中で何かの気づきがあるからです。
「なるほど、そうか!」という気づきのポイントが知的な部分を刺激しているわけです。そして、なんとなく読後にやり切った感が出るわけです。

これは、何かチャレンジしようとしてスケジュールを組んだときの感覚に近いかもしれません。
本来は、その先にあることをやらなくてはいけないのに、やってもないのにやった感じになるのです。

本だけ読んで、行動に起こさない。そして同じ本が本棚に並ぶ・・・。まさに「毒」です。

ビジネス書を薬に変える4つの手順

そんなビジネス書を「毒」から「薬」に変える4つの手順をお知らせします。どうしようもないビジネス書でもない限り、以下を行えば必ず「薬」になります。ぜひ実践してください。

1:ビジネス書を読む目的を決める。

そのビジネス書を手に取ったからには、何かその本から得ようとしているものがあるはずです。そのような【読む目的】を最初に決めてください。
この本を読むのは何のためで、この本から得たいものは何か、です。

タイトルや流し読みである程度決められますが、オススメは目次です。目次は本の要約のようなものですから、まずは目次を読んで、この本で得たいもの(=この本を読む目的)を決めてください。

目的を決めることで、読んでいる時にそのような文章があったら、自然に目に留まるようになります。

2:本を読んだ後、実践する。

どうしようもないビジネス書以外は、読んだ後にやってみようということがいくつか出てくるはずです。

その中で、1つだけでいいので、やることをピックしてください。数が多いと実践できませんので、最大3個までを意識してください。
そしてそれを、なるべく早くスケジュール帳やToDoリストに落とし、実践してみましょう。

ビジネス書の理解や、自分なりのやり方・考えがどんどん出てくるはずです。

3:読書メモを書く。

ビジネス書の中の、いくつか自分の心に残ったことを「読書メモ」として抜き出してください。私はEvernoteに書いていますが、皆さんはノートにでもPCにでも、何にでも構いません。
あまり長々と書くのはしんどいですので、本を読み終わった後で30分でまとめられる程度で構いません。
この読書メモを作る意味は、何かあったらさっと思い出せるための付箋のようなものです。

本を読んだ後、3日も経てば内容は細かなことは忘れます。1か月もしたら大事な内容すらほぼ忘れています。
本を読み直すのは非常に面倒ですが、読書メモを読み直すのはさほど時間もかかりません。

一言、二言でもいいので、大事な部分をメモとして残してみましょう。

4:できれば人と共有する。

できればビジネス書を読んだ後、誰かと共有してみてください。
本の内容についてでも、自分が始めようとしていることでも、なんでも構いません。

人に話すことで、自分の考えとして整理されていきます。

まとめ

本棚を見たら同じような本が並び、その本を読んだとも思えないことをしている、そんな人を何人も見てきました。まさに「毒」に侵されている人です。
逆に、本の内容を自分の血肉に変えて成功している人も見てきました。本を「薬」に変えられている人たちです。

ビジネス書を「薬」に変えるには、ビジネス書を読む目的を持ち、ビジネス書に書かれてある内容を1つでいいから実践すること。
そして大事なことを将来見返せるようにメモ書きで残して、できれば人と共有して自分の考えに落とし込んでいく。

そのことで、私はビジネス書が自分のモノになったと思います。
ビジネス書は読むものではなく使うものです。せっかく時間やお金を使って読むんです。どんどん使って、自分の財産に変えていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

hito

ITコーディネータ、中小企業情報セキュリティ指導者、BtoBデジタルマーケター。 企業支援を得意とする酒好き。 どんなにアイディアが行き詰っても、酒を飲むと妙案を閃く、という酔拳使い。 Instagram:@hitotabi Twitter:@hitotabi_2012