ホームページをビジネスに活用できない理由

ITコーディネータのhitoです。
Web業界にそこそこ長くいる私ですが、世の中のホームページがあまりにも活用されていないのが残念と思ってまして、これから何回かに渡ってホームページ活用についてシリーズ連載をします。

1回目は、企業がホームページをビジネスに活用していない理由です。
このテーマにした理由は、ホームページをビジネスに活用していくためにを考えるなら、活用できていない理由から考えたほうが手っ取り早いからです。
主としてBtoB企業を意識して書きますが、一部はBtoCやECサイトにもはまるかとは思います。

もしホームページをビジネスに活用するのは不要と思ってる人は、この1回目は読まなくても大丈夫です。

では早速、5つの質問。
あなたの会社では、下の5つは当てはまりますか?

5つの質問

・ホームページを活用していますか?
・ホームページはビジネスに役立ってますか?
・あなたの会社のホームページに何が書かれているかご存知ですか?
・気合入れて作ってるのは採用のページだけではないですか?
・最近、Webで成功したという同業者はいませんか?

どれか1つでもNO!と言うものはありましたか?あったとしたら、何故そうなったんでしょうか。
では、少し理由を掘り下げてみます。

何もしなくても大してお金はかからない

ホームページを維持するだけなら、お金は微々たるものです。
サーバー、ドメイン、SSL、場合によってはレンタルフォームやECサイトのシステムなども入るかもしれません。

費用も、月にすれば千円程度から1万円を切るレベルです。新聞1か月分より安い場合も多いのです。放っておいてもお金がかからないので、投資として見ることもなく、資金回収に焦ることもありません。

何かをするとお金がかかる

この逆に、何かをするとお金がかかります。

通常、普通の企業では、手の込んだ更新作業やデザインは制作業者に任せていると思います。
だいたいの企業では、更新作業1回1回で見積もり・契約しているようなスポット契約が多いので、何か更新するたびにお金を支払うということになります。

そうです。更新しようと思ったら、お金がかかるわけです。
放っておいても大してお金がかからない。だけど、何かやるとお金がかかる。
さらに言えば、更新したところで何の利益も生まないと思っている、だから何もしない方がいいと思えてしまうのです。

ホームページを活用する方法がよくわからない

ホームページができた当初、ホームページは眠らない営業マンだという話しがありました。

作ったら、どんどん人を呼んできて、経営者や営業の知らない間に勝手に商談して成約してくれる。そういう話しです。
今でこそ、そのようなことを思ってる人はいないと思いますが、ホームページが流行った初期の頃はそんな幻想を信じてた人も数多くいました。

ですが、みんな気づくのです。このホームページという営業マンは、思ったようには働かないと。
そして、この営業マンを指導もできず放置してしまうのです。

経営陣・マネージャーの無理解

ホームページををツールとして活用しようとするなら、具体的な策は別として何ができるツールかというのを理解していないといけません。

ですがWeb業界は、結構面倒です。新しい言葉がどんどん出てきます。
〇〇マーケティングという言葉だけでも、デジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、アンバサダーマーケティング……と、いくらでも出てきます。

経営者やマネージャクラスの方は多忙で業務に追われています。そういう人の前に、こういう言葉が流れ込む。
その時、多くの経営者・マネージャーは、IT・Webといったものをよくわからないものだから、と避けているのではと思います。

担当者は若い人で兼務

私の経験だとWeb担当者は、社内でも少しITに詳しい人、Webに詳しい人に任せていることが多いと思います。年齢も若く、業務は精通しているけど、経営には全くノータッチの人です。ITやWebの知識はそこそこありますが、経営レベルの見識がありません。
所属も、主業務がシステム部門だったり、広報・総務だったりです。「ビジネスに使いたい」という割には、営業以外の間接部門の方がメインという場合が多いのです。

さらに、ホームページの成功は自分の直接業務とは関係ないので、社内評価にはつながらない人もいました。

そういう場合、誰もホームページをビジネスに活用してよろうなんて考えもしないですよね。

プロに丸投げする

経営者・マネージャーの無理解や、兼務する若いWeb担当者しか社内にいないとなると、プロの知識を借りるしかありません。

そして、プロ(ホームページ制作会社)に依頼します。それも上流の部分から丸投げで。
よく聞く言葉は「プロでしょ。いいようにしといて」です。

もちろん制作のプロは、デザインやコンテンツ制作、最新のトレンドは理解しています。ですので、知識・ノウハウを引きずり出し、ホームページの活用に向けて一緒に進めばいいだけです。

間違っているのは、丸投げという点です。そのプロは、あなたの会社のホームページの活用については、素人なのです。

いやいや、プロでしょ?と思われるのでしたら、そのプロにはこういう依頼をすればいいだけです。
「1案件紹介してくれたら1万円払うよ」「これを売ってきて、利益のうち半分払うから」
楽ですよね。でも無理ですよね。

制作会社は家で例えるなら、設計士や内装業者、大工さんといった作るプロです。では、その人達にお店の経営を任せますか?

運用が大事と思っていない

ホームページの立ち上げに全予算を使って運用は一切しない。実際そのような企業を多く見ます。

お知らせに数年前に「ホームページをリニューアルしました」とだけあり、その後お知らせすら更新されていないホームページの多いこと……。

リアルな店舗・企業だと、お客様に刺さる言葉や提案資料、メニュー、品ぞろえといったものを日々考えていますよね。
問題はそれがホームページに反映されていかないということです。

ホームページもお店と一緒です。悪いところがあったら修正する、いいところがあったら伸ばす。
活用=継続運用です。

ゴールがない

最後になりますが、ホームページをビジネスに活用しようという割には、その成果が何か、つまりゴール(目的・目標)が定義されていない企業もいます。

そもそも、いつまでに何が達成すればいいのか、そのための予算や責任者・担当者は誰か、そのあたりの定義です。
KGIなどとも言いますが、その定義がないと、実際にビジネスに役立ったのかどうか、またはそれ以前に活用するように努力したかどうか、さえ怪しくなってきます。

最後に

色々書きましたが、ホームページは活用してナンボです。
もちろん社内事情は各社ごとに違うので、これに当てはまらない場合もあるかと思いますが、まずなぜビジネスに活用できていないのかを社内で整理してみてください。

次回からは、ホームページをビジネスに活用していくということを書き進めていきます。

ABOUTこの記事をかいた人

hito

ITコーディネータ、中小企業情報セキュリティ指導者、BtoBデジタルマーケター。 企業支援を得意とする酒好き。 どんなにアイディアが行き詰っても、酒を飲むと妙案を閃く、という酔拳使い。 Instagram:@hitotabi Twitter:@hitotabi_2012